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初めての始まり。

暇つぶしから沼の趣味へ。笹本海都の釣り熱が高まった瞬間「釣りして帰ってる途中に、もうしたくなってます」

八丈島で生まれ育ち、時間を見つけて釣り三昧の日々を楽しむ笹本海都さん。街でもフィッシングスポットでも身に着けられるブランド<Metropolis Fishing>は、立ち上げて2年目を迎えた。彼が、釣りにハマり込んだきっかけや、釣りの魅力、初心者におすすめの釣り入門について語る。東京湾でシーバス釣りをしながら、お話を聞いた。

※乗船中はポーチタイプのライフジャケットを着用しています

INDEX

暇つぶし”から“趣味”へ。釣りとの距離感変遷

釣りを始めたきっかけはなんですか?

母が八丈島、父が三宅島出身で、僕も八丈島で育ちました。父も祖父もみんな釣りをしていて、僕も物心ついた時には自ずと釣りをしていましたね。三宅島は池があるので、ブラックバスもいるんです。朝は父と祖父と海に行き、昼間暖かくなってきたら池に行き、夜にもまた海に行って…と1日中釣りをしていました。

釣りはすごく身近なものだったんですね。そこから今までずっと続けてきたのでしょうか。

小学生の時に島から東京に来て、中学高校では同級生と5人ぐらいでスケボーを始めました。釣りよりもスケボーの方に熱中している時期があったので、釣りに関しては1回空白期間があります。

再開したきっかけが気になります。

コロナが流行って外出ができなくなり、島に帰った時期があったんです。父と久々に釣りに行ったら、負けん気が出ちゃって父は1匹でかいのを釣ったのですが、僕は結局1匹も釣れませんでした(笑)。でも、その時間が結構楽しかったので、島から東京に戻ってからも釣りをやりたくなりました。当時免許を持っていなかったので、チャリに荷物を積んで30kmぐらい漕いで、死にそうになりながら釣りに行ってましたね。

すごいパワーですね!

そこまでしても釣りがしたかったです。

釣りを再開し、渋谷の上州屋という釣具店で、今一緒にブランドをやっている友達と出会ったことも大きいです。その友達とは出会ってすぐに意気投合して、1週間後には一緒に釣りに行きました。一人でチャリで行っていたときは全然釣れなかったんですけど、その人に車で連れて行ってもらったときに、70cmぐらいのシーバスが釣れて。そこからさらに熱量が上がり、どっぷりハマって行きましたね。

思うように釣れないことを道具のせいにして高い道具を購入してみたら、かなり釣れるようになって沼にハマった感じもあります(笑)。

島にいたときは、趣味とかではなくただの暇つぶしというか、食べるためのものだったんです。でも、今はどうやって時間を見つけて釣りをするか?を日々考えています。

実際どれくらいの頻度で釣りに行かれるのでしょうか?

毎日行ければ行きますし、最低でも週1は絶対行きますね。もう行きたすぎてアレルギーが出ちゃう。釣りして帰ってる途中に、もうしたくなってますもん。

釣りの楽しみは準備から。 試行錯誤の時間が大きなワクワク

釣りのときめく瞬間を教えてください。

釣りを始めた頃は、釣れた時が一番楽しかったんですけど、 今はいろいろと試行錯誤しながら準備する時間にすごくときめいて、ワクワクしています。昨日も糸を結び変えたりルアーの重りの位置を変えたりと、ずっと準備していました。工夫してる時間が面白いっすね。このバケツも昨日作ったんです(笑)。

手作りだったんですね!ルアーがすっぽりきれいにハマっていて、いい感じです。

一応、島根バケツという名前があって。動画とかを見ながら真似して作りました。こういうものにもみんな個性があって、めちゃめちゃ面白いんですよ。

確かに面白そうです。今までで1番テンション上がった瞬間や、思い出深い瞬間を教えてください。

87cmのシーバスが釣れた時は嬉しかったです。最近だと、彼女とボートでサワラを狙いに行ったら、彼女が120cmのシイラを釣ったことです。このサイズは中々釣れないのでびっくりしました!

迫力がありそうです。釣りは待っている時間が長いと思うので、忍耐強いイメージがあります。釣り中にどんなことを考えているのでしょうか?

自分と向き合える瞬間でもあるので、わりと悩みとか考えたりします。でもやっぱり、気付くと釣りのほうに頭がいっています。このルアーでは釣れなかったけど、ちょっと重いものにしたら釣れるかも?とか考えますね。

忍耐強さは全然なく、僕はすごくせっかちです(笑)。

うなんですか!?せっかちな釣りスタイル、詳しく知りたいです。

待つのが苦手なので、餌釣りも超苦手だし…ずっと動いていたいんですよね。友達は一つのポイントで10分とかやるんですけど、僕は3分とかで見切りつけて、バンバン移動します。ボートのときも、船長はマイペースだけど、僕は「ちょっと後ろに魚がいるから後ろ回してください」と頻繁にお願いして動かしてもらっているので忙しないです。

せっかち同士で行くと、あちこち行くので結構大変ですよ(笑)。

体力が必要そうですね(笑)。今日は船釣りでしたが、船釣りと岸釣りでそれぞれいいなと思うポイントはありますか?

船釣りは、船長が釣れるポイントを知っているので、答え合わせが早いというか。その人に連れてってもらえれば、すぐ釣れる可能性が高いところです。

陸っぱり(岸釣り)は、自分でポイント開拓をできるところです。自分で見つけたシークレットのポイントとかで釣れたら嬉しいし、冒険してる感じです。釣るまでに時間が掛かるので、通い続けてやっと釣れたときの一匹はすごく嬉しいです。

「街でも海でも着られるかっこいい服」 Metropolis Fishingのはじまり

Metropolis Fishingを始めた経緯とコンセプトを教えていただけますか。

先ほど話した、渋谷の上州屋で出会った友達と二人で立ち上げました。元々二人ともシーバス釣りをやっていて。ソルト(海釣り)の洋服であまりかっこいいものがなかったので、「かっこいいの作りたくね?」と話して始めました。

コンセプトは、街でも着れて、海でも着れること。多分ソルトの洋服のまま渋谷を歩いたら、自分的にはちょっと恥ずかしさがあるので、どこでも着れるような服を目指してますね。

元々アパレルの企画やデザイン経験があったのでしょうか?

いや、全然なかったんです。最初は既存のボディで作っていたんですけど、今2年目になって、ボディもオリジナルで作っています。二人とも好きで始めたので、自分たちが着たいものを作っている感じです。

今日着られている服も素敵ですね。実際作ってみて、いかがでしょうか。

元々販売員だったのですが、販売員とは全然違います。あれもしたい、これもしたいとなったときに、どこまで突き詰めるかというバランスが難しいです。

自由度が高い分難しそうです。周りの釣り好きの人たちから反響などありましたか?

OUTDOOR PRODUCTSさんとコラボしてバッグを作ったんですけど、それは釣りをする人たちから好評でした。海でルアーをほったらかしにしておくと錆びてしまうので、ルアーを収納できるバッグインバッグをつけるなど工夫が詰まっています。

これから作ってみたいものや、ブランドとしてチャレンジしたいことはありますか?

今はジャケットのセットアップと、薄手のシェルやベスト、キャップを作っていて、今年中には発売する予定です!今後は服だけじゃなくて、靴も作りたいですね。

釣り場で広がるつながりと初心者におすすめの釣り入門

もし読者で釣りに興味を持った方がいたら、まずはどんなアクションをお勧めしますか?

興味があるという友達を釣りに連れていくことがあるんですが、大体釣れないです。実際に1回目で釣れてハマった友達もいるんですけど、その後なかなか釣れなかったり…。シーバスは結構釣りにくいので、カサゴとかアジであればわりと簡単に釣れるのでお勧めですね。

やっぱり「釣ってみる」という経験が、ハマる入り口になりそうですね。

そうですね。釣ってみるという点では、コイのパン釣りもいいと思います!多分初心者にとって、「こんなに引くんだ!」という感覚を掴めるかも。逆に釣れすぎて10分ほどで飽きるかもしれないですが(笑)。

あと、ボートで船釣りに連れて行ってもらうことが1番かもしれません。きっと船長が釣れる場所に連れて行ってくれるので。

釣り経験者と一緒に行くことも良さそうですね。

そうですね。僕も釣り友達の話などをよく参考にしています。

今はオンラインとかメルカリで釣り用品を買う人も多いですが、釣り具屋さんに行って、店員さんに顔を覚えてもらって、いろんな情報交換をするのも面白いですね。店員さんは、やっぱりお客さんからの情報も入ってくるので、何かと詳しいです。

僕は前にスケートショップで働いていたのですが、スケートショップもそんな感じだったので、通ずるところがあるかもしれません。

コミュニケーションを大切にされているんですね。釣り友達のお話も聞くとのことですが、どうやって友達ができるのか気になります。

例えば陸っぱりで「隣に入っていいですか?」と聞いて、そこから「釣れました」という感じで会話して情報交換したりすると、だんだんと仲良くなって。また別の日に会ったら「どうも」みたいな感じです。いつの間にか仲間がめちゃ増えましたね。

釣りで繋がれる関係、素敵です。釣りに関して、これからやってみたいことはありますか?

シーバスで90cmを釣りたいです!僕が行くフィールドでは、年に2回ぐらい誰かが釣るので、確率は低いですが釣りたいですね。あと、日本三大怪魚と言われている、高知のアカメ、琵琶湖のオオナマズ、北海道のイトウという魚がいるのですが、アカメしか釣ったことがないので全部釣りたいです!

応援しています!自然の中で過ごす時間も長いと思うので、心身ともに健康的なイメージがあるのですが、実際どうでしょうか

逆にめちゃめちゃ不健康だと思います。

そうなんですか!?

睡眠を削ってまで行ってしまうので。昼間だと鳥に狙われるので、魚が沈んでしまうんですが、夜は魚の警戒心が少なくて水面に上がってくるので、夜を狙って行くことも多いんです。帰りに開いているお店も少ないので、ラーメンや牛丼を食べて……。2連休になると、昼夜逆転しちゃうこともあります。

でも、そこまでしても釣りがしたいので、仕方ないかなと思っています。

シーバス釣りをしながら、釣りにハマったきっかけやその魅力、釣りに興味を持った人への入門情報まで、楽しそうに語ってくれた笹本海都さん。数々の釣り経験を積み重ねながらも、釣り仲間や釣具店員さんの話をよく聞き、リアルな場での人とのコミュニケーションも大切にする。そんな彼の姿勢は、釣りとの距離を縮める根源だと言えそう。

ふとした瞬間や人との出会いをきっかけに、“暇つぶし”から“趣味”へ。
まさかここまで熱中するとは思えなかった…と夢中になる“何か”は、意外と近くにあるのかもしれない。

Metropolis Fishing / モデル
笹本海都(ささもと・かいと)

東京都八丈島出身。コロナ禍をきっかけに、幼少期から身近だった釣りにのめり込む。釣り好きの2人が渋谷の釣具店で偶然出会い、2022年にブランドMetropolis Fishingをスタートさせる。
Instagram:@_kozakana_

 

撮影協力:ニューポート江戸川
https://www.newportmarine.co.jp/shop/edogawa/

CREDIT

photo:Kyohei Hattori

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HATSUDO編集部 by ヤマハ発動機

“トキメキ”発動中

HATSUDO編集部 by ヤマハ発動機

わたしたちを素敵な未来へ導く"トキメキの発動"にフォーカスし、その原動力を探求、発信しています。


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