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10 MOMENT

加藤成順「見るより入る、直感で飛び込む。体験から広がる“自分ならではのバランス”」|トキメキが発動する10の瞬間

人生に大きな影響を与えた運命の瞬間から、日々の小さな幸せまで。トキメキが発動する10の瞬間を語る「10 MOMENT」。
今回の語り手は、MONO NO AWAREのギタリスト・加藤成順さん。
「自然は見るより入る方が好き」と話す彼は、無意識によみがえる感覚や、直感で選んで飛び込んだ体験を重ねながら、自分ならではのバランスを育んできた。理由を求めず、そのときの気持ちに素直でいる加藤成順さんの、トキメキが発動する10の瞬間とは?

INDEX

1.地元を思い出す空気感や匂いを感じたとき

無意識に蘇る地元の景色

路地裏や小道を歩いていて、地元・八丈島を思い出すことがあります。特に雨上がりのアスファルトの匂いや湿度を感じた時が多くて、祭りの帰り道がよぎったり。特定の思い出に浸るって感じでもなくて。振り返ろうと思えばできるけど、そういうのはあんまり好きじゃないんです。匂いや湿度、景色などの些細なものがきっかけになって、無意識にふっと思い出す瞬間にグッときます。

2.動物園の動物たちを見ているとき

 

生きものの力を、目の前で体感する

国内外のいろんな動物園や水族館に足を運んでいますが、動物の無垢な姿や生きる力に、いつも感動します。その力を“体感しに行ってる”感覚があります。父がダイビングのガイドで水中生物の図鑑を出版していて、子どもの頃から犬も飼っていたので、自然と動物に惹かれていました。

最近印象的だったのは、羽村市動物公園のリクガメ「チョッパー」。人を見るとまっすぐ寄ってくる姿がかわいくて、こっちを認識して反応してくれると本当に嬉しくなります。トドやセイウチみたいに大きい動物は、ただ眺めているだけでも迫力があって面白い。井の頭自然文化園では、モルモットがたくさんいて、個性豊かに過ごす姿を見ているだけでも楽しいです。

展示の工夫にも注目していて、旭山動物園のように陸と水中の両方からカバの泳ぐ姿を見られる展示も好きです。ズーラシアのように動物の本来の生態に合わせた環境づくりなどを見ると、こっちまで嬉しくなります。

3.海や川や山など自然の中にいるとき

 

自然に入って、季節を丸ごと味わう

自然は“見る”より“入る”方が好きです。特に夏は海や川や湖に入るのが定番。最近だと、三浦の荒井浜海水浴場。砂浜だけじゃなく岩場もあって、お気に入りの場所です。特に何かをするというより、単純に泳いだり、生き物を見たりするだけ。自然の中にいると、やっぱりリフレッシュできるし、頭もすっきりします。 季節を感じること自体にもときめくので、夏は花火をしたり、冬は温泉に行ったり。四季を感じる出来事は、ちゃんと体験するようにしています。

4.飲み屋でその地域の人と話せたとき

全く違う価値観の人との巡り合わせ

旅先や、東京なら赤羽や北千住みたいな、自分の生活圏とは違う街の飲み屋やスナックで、初めて会った人と話すのが面白いです。友達と話す安心感も好きだけど、どうしても似たような話になりがちで。見知らぬ人、全く違う価値観の人と話すと、刺激になります。

前にスナックで初対面の人に「お前バランス取ってんじゃねーよ」って言われた時は衝撃でした。自分は人の空気を読んで盛り上げたり引いたり、無意識にバランスを取ってしまうタイプなんですが、それをズバッと見抜かれて。「気を遣わなくていい」と言われてるみたいで、逆に嬉しかったんです。地方のスナックだと歌が始まったりして、そういう巡り合わせも含めてトキメキます。

5.旅行に行く時の飛行機

 

知らない場所へ向かう時間

旅行の前日はそわそわして寝られないタイプです。行きの飛行機に乗っている時間は、ずっとワクワクしています。特に機内で何かをするというより、知らない場所に向かっていること自体に、一番ワクワクします。知っている場所でも、着くまではわからないことだらけなので、その時間自体がトキメキなんです。

この前台湾に行った時も、行きの飛行機でずっとそわそわしていました。帰りは疲れて寝ちゃうので、行きと帰りは結構違いますね。飛行機に限らず、電車や車でも、移動中に窓から景色が変わっていくのを見るのも楽しいです。

6.外観で判断して美味しいご飯屋さんに出会えたとき

雰囲気で決めて、入ってみる

特に旅先ではあまり調べずに、外観で判断してお店に入ることが多いです。古い建物に提灯が下がっていると弱くて、つい入りたくなっちゃう。そして入ったお店が当たりだった時は、調べて行くよりずっと嬉しいです。もちろん外れることもあるけど、それも含めて自分の体験としていいなと思います。

食べたことのない料理に出会えた時もトキメキます。多国籍料理が好きで、日本人好みにアレンジされていない、現地の人が作るスパイスの効いた料理に出会うと本当に嬉しい。普段は和食を作ることが多いので、外で未知の味に出会えるのは特別な体験です。

7.好きな洋服を着てる時

 

自分らしいバランスを探す楽しさ

ファッションは自己表現。好きな服を着ているときは気分がいいし、自分らしいバランスを見つけて調整するのが楽しいです。今日履いているのは、ナイキのシャカシャカパンツ。スポーティーになりすぎないようにニット生地のトップス、シャカシャカパンツに革靴だとギャップ狙いになりすぎるのでkeenのサンダルをラフに合わせました。このドットがお気に入りのパンツに出会ったのは、ドラマ『ホットスポット』で市川実日子さんが履いていたスカートに惹かれて調べたのがきっかけ。パンツをリメイクしたものらしく、その元になったパンツを見つけて買いました。出会った服そのものに惹かれる感覚もトキメキの一つです。

服を意識するようになったのは大学に入ってから。地元では制服やジャージが中心でしたが、大学時代に裏原宿の古着屋に通い、少しずつ知識を吸収していきました。似合わない服もたくさん着たけど、そんな時期があったからこそ、今は気負わずファッションを楽しめている気がします。

8.トレファクやセカスト巡り

 

掘り出し物探しは、宝探し

トレジャー・ファクトリーやセカンドストリートなど、セレクトされ過ぎていない店内で古着を探すのは、宝探しみたいで好きです。特に地方では、掘り出し物に安く出会えることがあって、それが一番のトキメキ。洗練された古着屋やセレクトショップは値段が高いことも多いけど、それはそれで良さがあるし、デザインが好きで買うこともあります。でも、自分は安く見つけた掘り出し物をうまく混ぜて着る方が楽しい。ブランドにはこだわらず、生地感や色、デザインを直感で選んでいます。

9.作曲した曲がメンバーによって世界観が広がったとき

一人では辿り着けない瞬間

音楽を作っていて一番嬉しいのは、メンバーによって自分の曲の世界観が広がる瞬間です。自分が言いすぎてしまうとそれ以上広がらなくなるので、なるべくイメージは出さないようにしています。その方がメンバーの解釈で、思ってもいなかった広がりが生まれることもある。演奏している時や音源を聴いた時に、仲間によって新しい世界ができあがる瞬間は本当に幸せです。余白を残して、聴く人が自由に想像できる音楽をやりたいと思っています。

10. ライブでお客さんの幸せそうな顔を見たとき

幸せな顔が、日々の原動力

ライブでお客さんが幸せそうにしているのを見るのが、一番の原動力でありトキメキです。自分が好き勝手に表現するだけじゃなくて、相手の表情から「届いてる」と実感できるのが大きいんです。

名古屋は内に秘めて楽しむ人が多く、福岡は表に出して盛り上がる人が多い。台湾ではさらに歓声がすごくて、国や地域ごとの違いも面白いです。声を出したり体で表したりするのももちろん嬉しいし、そうしなくても顔を見れば幸せが伝わってくる。そういう表情を見ると、次も頑張ろうって思えるんです。曲を作るだけじゃ活動は完結しなくて、ライブがあるからこそ進んでいけるんだと思っています。

直感で選び取り、自分の足で動く。感覚に素直でいることで、自分ならではのバランスや日常の喜びが見えてくる。 その姿勢はきっと、聴く人に余白を残す音楽とも、どこか通じているのかもしれない。

撮影協力:井の頭自然文化園、トレファクスタイル三鷹店

MONO NO AWARE / MIZ
加藤成順(かとう・せいじゅん)

1993年生まれ、東京都八丈島出身。MONO NO AWAREのギタリスト。同バンドのボーカル・玉置周啓とのアコースティックユニット「MIZ」、バンド「小原綾斗とフランチャイズオーナー」としても活動している。

Instagram:@seijun_kato

X:@seijun_kato_

 

 

Release Info

MONO NO AWARE
New EP & LIVE Blu-ray 『走馬灯』 
2025年9月24日(水) Release 
仕様:CD & Blu-ray (2枚組) 
品番:PECF-3300 
定価:¥6,050(税抜価格:¥5,500)

●予約リンク
https://mononoaware.lnk.to/somato

収録内容
【 Disc1 / 走馬灯 EP 】
01. 走馬灯 
02. スノードーム 
03. そういう日もあるⅡ 
04. me to me Ⅱ 

【 Disc2 / 波止場大サーカス Live Blu-ray 】
01. 忘れるメドレー 
02. もうけもん 
03. イニョン 
04. 野菜もどうぞ 
05. アングル 
06. 同釜 
07. 幽霊船 
08. me to me Ⅱ
09. 異邦人 
10. 東京 
11. かむかもしかもにどもかも! 
12. 風の向きが変わって 
13. 88 
14. そこにあったから 
15. 花粉 
16. 水が湧いた

Tour Info

MONO NO AWARE 「ONEMAN TOUR 2025」

9月26日(金) 大阪UMEDA CLUB QUATTRO (OPEN18:00 / START19:00)
9月27日(土) 愛知 名古屋 CLUB QUATTRO (OPEN17:30 / START18:30)
10月8日(水) 東京 Zepp DiverCity TOKYO (OPEN18:00 / START19:00)
10月24日(金) 台北 Legacy Taipei (OPEN19:00 / START20:00)
12月28日(日) 福岡 Beat Station (OPEN17:30 / START18:00)
TICKET: ADV. ¥4,800

八八音楽祭2025 Info

MONO NO AWARE presents
「八八音楽祭 2025」

11/29(土) 八丈町多目的ホール「おじゃれ」
MONO NO AWARE ONEMAN LIVE
開場時間:18:00 開演時間:19:00
TICKET:前売り ¥4,800(ドリンク代無)

11/30(日) 八丈島 POT HALL
八八音楽祭後夜祭
開場時間:16:30 開演時間:17:00
TICKET:前売り ¥4,800(ドリンク代別)

LIVE
MONO NO AWARE
ドミコ
島太鼓

DJ: TOMMY(BOY)
太鼓自由体験 ※八丈太鼓にふれてみよう

チケット一般発売:2025/8/30(土) 10:00~
URL:https://w.pia.jp/t/mononoaware/

 

CREDIT

photo:Nanako Araie
text/edit:Hinako Masuyama

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PROFILE

HATSUDO編集部 by ヤマハ発動機

“トキメキ”発動中

HATSUDO編集部 by ヤマハ発動機

わたしたちを素敵な未来へ導く"トキメキの発動"にフォーカスし、その原動力を探求、発信しています。


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