アパレルから花の世界へ。一緒に“選ぶ時間”にトキメキを
[profile]
name:橋本 梨沙
occupation:Maree Chanter 店主
Instagram:@maree_chanter , @hanatoito_gallery
[outfit details]
jacket:atelier FAM古着
shirt:Maison Margiela
pants:BROSS FACTORY
2025.05.07

INDEX
Q1.トキメキが発動していることは?
横須賀で「maree chanter(マレ・シャンテ)」というお花屋さんを営んでいます。その人に合うお花を一緒に選んでいくなかで生まれる、会話や空気が好きです。笑顔が返ってきたり、気持ちが共鳴した瞬間に、トキメキを感じます。
Q2.きっかけは?
もともとアパレルでバイヤーをしていましたが、大きな怪我をきっかけに、働き方を見直すことに。当時は出張が多く、生花は枯れてしまうため、自宅ではドライフラワーと流木を組み合わせて飾っていました。インテリアとして楽しんでいたら、遊びに来た友人たちが「いいね」と声をかけてくれるようになって。
そのうち「プレゼント用にお願いできる?」と頼まれるようになり、少しずつ“花を届ける”機会が増えていきました。声をかけてもらうことが増え、ポップアップを始めたことで自然と花の仕事が広がっていきました。
レコード屋さんやカフェに間借りする“ポップアップスタイル”で活動していた中で、今の店舗を一緒に運営している「atelier FAM」のイシイくんと出会い、音楽の趣味や感覚が近くて意気投合。ちょうど横須賀にアトリエを移そうとしていたタイミングで、「一緒にやってみない?」と声をかけたことが、今のかたちの始まりです。

Q3.トキメキポイントは?
お客さまと一緒に花を選ぶスタイルを大切にしています。話しながら、その人に合いそうな色や組み合わせを探していく時間のなかで、「こういうの、自分じゃ思いつかなかった」と言ってもらえた瞬間は、やっぱりうれしいし、トキメキます。
間借りで出店していた頃は、「お花を買うのは初めて」という方に出会うことも多くて。そんな方が花を手にするきっかけになれたことは、今でも印象に残っています。
Q4.これからやってみたいことは?
少し毒っけのある花、アンティーク雑貨を含めた空間、音楽、会話──すべてひっくるめて、ここで“花を選ぶ時間そのもの”が、ちょっと特別な体験になったらいいなと思っています。
そのためにも、仕入れ先や花の背景には、これからもっとこだわっていきたいです。以前、野菜農家の息子さんが育てた花に出会って、「この人の花を使いたい」と感じたことがありました。どんな人が、どんな思いで育てた花なのか。そんな背景ごと、届けていけたらと思っています。
そしてもうひとつ、これまではずっと仕事中心で走ってきたぶん、少し肩の力を抜いて、自分の時間も大切にしていけたらと思っています。音楽が好きなので、気になるフェスに出かけたり、新しい景色に出会ったり。そういう時間のなかから、また自然と花のインスピレーションが湧いてくる気がしています。