RYOTAの「好きな瞬間に出会って、心がそっと動く今が愛おしくなる。」|トキメキが発動する10の瞬間
人生に大きな影響を与えた運命の瞬間から、日々の小さな幸せまで。トキメキが発動する10の瞬間を語る「10 MOMENT」。
今回の語り手は、モデルのRYOTAさん。ファッションシーンで存在感を放つ一方、2024年にはNetflixで配信中のリアリティシリーズ「ボーイフレンド」にも出演し、さらに注目を集めた。やさしさの中にある強さ、繊細さの中にある芯。そんな佇まいの奥には、日常をじっくり味わいながら、ふと心が動く瞬間に素直でいる姿がある。
「人生は選択の連続で、だからこそ、日常の好きな瞬間を心で感じながら生きていられることが、幸せなんだと実感します。」——そんなRYOTAさんが語る、トキメキが発動する10の瞬間とは?
2025.03.28

1. 柴犬を見かけた瞬間
100m先でも目で追ってしまう存在
外を歩いているときに柴犬を見かけると、つい目で追ってしまいます。100m先でも「あ、柴!」とテンションが上がります。柴犬は、飼い主には懐くけれど、他の人には塩対応なところがあるじゃないですか。あの、「別に君に興味ないですよ」みたいな顔をしながら、チラッとこちらを見る感じがたまらなく好きです。触れられたらもちろん嬉しいけど、見ているだけで十分幸せです。
昔、実家でも茶柴を飼っていました。帰宅すると玄関で待っていて、車の音を聞き分けていたのか、扉の前で尻尾を振ってくれる。その素直じゃないけれど伝わってくる気持ちが愛おしかったです。
最近は友人の柴犬と触れ合う機会があり、改めて「やっぱり柴犬いいな」と思いました。いつかまた、一緒に暮らしたいなと密かに思っています。
2.喫茶店で過ごす時間
ぼーっとするだけの、ささやかな贅沢
喫茶店で、コーヒーやココアを飲みながら、ただぼーっとする時間。特別なことはしないのに、心地よくて、トキメキを感じます。
コーヒーは、深煎りでしっかりした味が好み。昔ながらの喫茶店には、そういう一杯が多くて、それも魅力のひとつ。今日撮影させていただいた「ローヤル」も、深みのあるコーヒーとクラシックな雰囲気が心地よく、つい長居したくなりました。
食品サンプルがショーケースに並んでいる喫茶店に行くと、つい目がいってしまいます。妙にリアルで、少しレトロなあの感じが好きで、「このパフェ、いつからここにあるんだろう?」と想像すると、ちょっとワクワクするんです。
喫茶店には、事前に調べて行くこともあれば、街を歩いていて気になったお店にふらっと入ることもあります。ふと気になる外観を見つけたら、足を踏み入れてみるのもいいかもしれません。
3.「いいな」と感じてシャッターを切った瞬間
感覚のままに切り取る、小さなトキメキ
最近、中古のデジタルカメラを買いました。スマホでも撮れるけれど、シャッターを切るあの感覚が心地よくて、「この瞬間を残したい」と思ったときに手が伸びます。
撮ったのは、街の風景、箱根の銭湯で飲んだコーヒー牛乳、レトロなホテルの階段など。構図を決めて撮るというより、その場で「いいな」と感じた気持ちを、そのまま写し取ったような写真です。カメラを持っていると、普段なら通り過ぎてしまうような景色にも自然と目がとまる。そんなふうに、小さなトキメキに気づかせてくれるのが、カメラの魅力かもしれません。
4.四季の花々に出会う瞬間

街角でふいに出会う、小さな彩り
花を見ると、自然と心がやわらぎ、トキメキを感じます。街を歩いていてふと目に入る花が、「あ、もうこんな時期か」と季節を教えてくれるのも好きなところ。
花が好きになったのは、実家でおばあちゃんが育てていたのがきっかけ。秋に香る金木犀や、鮮やかなパンジーが印象に残っています。小さい頃におばあちゃんと一緒に水やりをした思い出も、大切な原点です。
今もたまに玄関や部屋に花を飾ることがあって、空間が華やかになり、やさしい潤いが生まれる感じが心地いい。道ばたの花壇で足を止めてしまうのも、そんなトキメキを感じているからかもしれません。
5.自然を感じる瞬間
ただそこにいるだけで、満たされる
夕陽、海、山の中の緑。自然の美しさに触れると、心が洗われるような感覚になります。
特に最近ときめいたのは、葉山の海で見た夕陽。作品撮りの撮影で訪れたのですが、オレンジに染まる海と空が本当にきれいで、しばらくぼーっと眺めてしまいました。こういう景色を見ると、ただそこにいるだけで満たされる感じがして、とても好きです。
子どもの頃から川遊びや森の中を歩くのが好きで、東京に来てからもできるだけ自然に触れる時間を作るようにしています。森の奥に入ると、木々の隙間から光が差し込んで、風で影が揺れる。その光と影のコントラストをぼーっと眺めていると、不思議と気持ちがリセットされるんです。高台に立って、風を浴びるのも気持ちいい。そうやって五感を使って自然を感じる時間が、日々のリズムを整えてくれる気がします。
6.キラキラに目を奪われた瞬間
子どもの頃から惹かれてしまう光
星や月、装飾品や食べ物のツヤ感、水面に反射する光——そういう“キラキラ”に、昔からときめいてきました。
子どもの頃、地元・島根で夜空の星を眺めるのが好きで、プラネタリウムみたいに輝く星を見上げてはワクワクしていました。パフェのカラースプレー、お菓子にかかっているアラザン、
最近も、不意に出会ったキラキラに目を奪われて、つい写真を撮ってしまいます。探しに行くというより、偶然出会えたときの高揚感が好き。そんな瞬間に、トキメキます。
7. 服で気持ちが変わる瞬間
おまじないみたいに背中を押してくれる服
服には、気持ちを変えてくれる不思議な力があると思います。ワクワクしたり、スイッチが入ったり、逆にリラックスできたり。無の状態に、おまじないをかけてくれる存在です。
子どもの頃は、自分の容姿にあまり自信がありませんでした。でも、いろんな服を着るうちに、「この服を着ると、なんかいい感じかも」と思える瞬間が増えてきたんです。モデルの仕事をするようになってからは、「似合ってるね」と言ってもらえることも増えて、自分に合うものが少しずつ分かってきました。
服はただのアイテムではなく、その日の気分や自分を後押ししてくれるもの。だからこれからも、トキメキを感じる服を選んでいきたいと思っています。
8.映画に心を揺さぶられた瞬間

スクリーンの向こうに広がる、新しい世界
映画の世界にどっぷり浸る時間が好きです。登場人物の感情やシーンに心を揺さぶられる瞬間にときめくし、映像の色彩や構図、音楽の使い方に惹かれることも多いですね。 特に好きな映画は、『THE SHINING』『浮き雲』『elephant』『胸騒ぎの恋人』。『胸騒ぎの恋人』は、鮮やかな色彩と繊細な心理描写が魅力で、シーンの切り替えや映像の美しさにワクワクします。『elephant』は実際の事件をもとにした作品で、登場人物たちの日常が群像劇で表現されていて、そこに映し出されるリアルさに深く考えさせられます。誰にでも起こり得るような幸せ・不幸せや、自分が実際に体験した事のある感情を切り取っている映画に出会うと強く惹かれます。
あとは、90年代後半〜2000年代初期のジャパニーズホラーも好きで、『リング』や『ほの暗い水の底から』など、今でもよく観ます。映画は現実では体験できない世界に入り込めるところも魅力の1つ
9.アニメや漫画の「変身」

憧れとトキメキがつまった世界
アニメや漫画のキャラクターが、自分の力に気づいて成長していく姿には、今でもトキメキます。特に好きなのは、「変身」やそれに近い描写。外見が変わるだけじゃなく、気持ちまで強くなるようなその瞬間に、ワクワクと憧れが混ざったような感覚になります。
『ブリーチ』や『カードキャプターさくら』など、子どもの頃から繰り返し観ていた作品には、そんなトキメキがたくさん詰まっていました。最近はあまり新作を観る時間がないけれど、昔の作品を見返すことも多くて、当時の感覚を思い出しながら、自分の“好き”の原点を再確認しています。
10.コーヒードームを眺める30秒
一日のはじまり、心がほぐれる30秒
朝、珈琲を淹れると、お湯とコーヒーの粉が触れ合い、ぷっくりと膨らむ“コーヒードーム”ができる。豆に含まれる二酸化炭素が放出されることで生まれる現象なのですが、「今日もモコモコしててかわいいな」と眺めるのが好きです。“コーヒードーム”が現れるのは、「蒸らし」と呼ばれる30秒ほどの時間。ただ見ているだけなのに、不思議と心が落ち着くんですよね。
モデルの前はバリスタとして働いていましたが、仕事で淹れていた頃とは違い、自分のためにゆっくり淹れる時間は、より特別に感じます。 1日の始まりをじっくり味わうような、小さな儀式のようなひととき。トキメキとともに、心がすっと整っていく時間です。

小さなトキメキに気づける人は、きっと世界とやさしくつながっていける。
RYOTAさんの言葉や視点には、そんな静かな強さとあたたかさがにじんでいた。
好きな瞬間に心を向けて、ふと心が動く今を味わうこと。
それは、自分の世界をゆっくり育てていくような時間であり、
そのまなざしが、暮らしをそっと支えてくれるのかもしれない。
モデル RYOTA
OfficeBriller所属。独特の空気感と豊かな表現力で、ルックやランウェイなどファッションシーンを中心に活躍。2024年にはNetflixで配信中のリアリティシリーズ「ボ