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トキメキポスト

今月の写真

『生きている』佐藤稜真

地球を感じる。

こんな一言から始まると、どこか壮大な話が始まると思われてしまうが、そんな事はない。

ただ、私が思う、地球の「生きている」を感じる瞬間についての話だ。

一応言っておくが、スピリチュアルではない。

私は、定期的に日の出を見に行く。
いや、浴びに行く、の方が正しい。

その時に、地球が動いている、生きている瞬間を強く感じる。

夜中の3時、朝日を浴びに車を走らせる。

早起きしてまで太陽を求めて車を走らせる行為は、自分でもたまに不思議に思うが、やめられない。 

あの、美しさを知ってしまっているから。

外は真っ暗。
道路は空いていて、軽やかに走る。

目的地に着いた頃には、外は、薄暗くなっていた。

散歩しているおじいちゃんおばあちゃん、朝までオールで語ってたであろう若者達。

色んな人が朝日を浴びに来ている。
意図して浴びようとしているかは分からないが。

日の出の前後1時間は、特別な時間だ。

真っ暗の世界から、徐々に陽が射しこみ、辺りが照らされる。

その瞬間。

鳥、虫、植物、川、人。

色々な生命が、動き始めた気がする。

陽を受け、影が出来る。

影を見ると、この世に存在していると明らかにされている気がする。

影が出来ると言う事は、生きている証だ。

こんな事を考えながら、全身で朝日を浴びる。

そんな私の後ろにも、影が出来ている。

こうして、地球の生きている瞬間を肌で感じる事は、大事だと思う。

視覚、聴覚、嗅覚、触覚を働かせ、自分という存在が、色々な生命と共存していることを改めて知る。

この体験が、自分の写真に良い影響を与えるとさえ思う。

これを読んでくれている皆さんにも何らかの良い影響をきっと与えてくれるはずだ。

私はこれからも、地球に溶け込みながら生きていく。

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PROFILE

写真家

佐藤稜真

2000年東京都生まれ。主にポートレート、スナップ写真を撮る。2023年シンガポールでのスナップ写真を1冊にまとめた、「DAILY LIFE IN SINGAPORE」を制作。普段は、フィルムカメラを持ち歩き、日常の中の美しい瞬間・光をユニークな視点で記録している。


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