今月の写真
2024.09.12
『みんな繋がっているんだ』〈笠川泰希〉
綺麗な景色を見たとき
好きな音楽を聴いたとき
美味しい食べ物を食べたとき
懐かしいものに触れたとき
あともう少しだけ頑張りたいと思ったとき
誰かのことを思い出す。
家族のこと?友達のこと?恋人のこと?
身近にいる人でも、なかなか会えていない人でも。
今住んでいるところから
10分ほど歩いた場所に野球場がある。
野球場を見ると、数年ほど前のことが脳裏に浮かぶ。
野球に没頭していたあの頃を。
よくテレビで使われる
「白球を追いかける」
まさにそんな日々だった。
親父の背中や、母親が毎日洗ってくれたユニフォームを思い出す。
試合の日は絶対欠かさず見にきてくれていた。
紛れもなく、あの時過ごした時間は今の私を形成している。
だからなのか、
野球場を見ると、ふと家族のことを考える。
声が聞こえてくる。
会えていなくても繋がっているようだ。
誰かに想いを馳せながら、
日々を生きているのだろうか。
そうやって人と人はどこかで繋がっているのかもしれない。
「会えていなくても、
ココロで。」
ファインダーを覗きながらそんなことをふと考える。
「届くかな、届いたらいいな。
3・2・1・ガシャン」
まるで、シャッター音は祈りのようだ。
そう考えていたら
なんだか心がトキめいてきた。
おわり。