ハラハラも学びもトキメキ。携帯紛失後の波瀾のインド旅
モデル
name:池田 抄英
occupation:maya ongaku(saxophone / flute / keyboards)
instagram:@shoeikeda
着用
tops:A.P.C.
bottom:NIKE
shoes:NIKE
2024.06.05
INDEX
Q1.トキメキが発動していることは?
旅です。日常的というほど行ってはいませんが、最近はインド旅がトキメキでした。
Q2.旅にハマったきっかけは?
コロナ禍の一律給付金で、一ヶ月くらいかけて西日本1周の旅に出て、初めて旅の面白さを知りました。 リトルカブというバイクに、テントや自炊グッズなどのキャンプ用品を積んで、出雲大社まで行ってタッチして帰ってくるということをして。1人で下道を進み、気持ちの良い浜辺でご飯を炊いたり、インスタントカレーを食べたりしながら、旅の魅力に気づきました。
元々海外に行きまくる人間ではないんですが、去年の11月にヨーロッパツアーへ行った時には、海外の未知な文化や言葉の中で過ごすスリリングさに、トキメキを感じました。大人になると、学生の頃のように何か新しい学びを設定して動くということが無くなりがちですが、ヨーロッパに行ったことで、新しいことに踏み込んでいくトキメキを思い出しました。
次は海外で一人旅をしたいと考えた時に、刺激や学びがありそうだという軽い理由で、行き先をインドに決めました。
Q3.インド旅のトキメキポイントは?
まず、家から空港に行くまでの道のりで、携帯を無くしました。でも不幸中の幸いで、航空券のコピーやパスポート、ガイドブック『地球の歩き方』、 友達から借りていたデジタルカメラを持っていたので、行けなくはないなと思って。導きだと思ってこのまま行っちゃおう!と決行し、それが最初のトキメキでした。
携帯がないと普段いかにデジタルに依存しているかを実感し、トランジットの時間も超暇で、日記を書いて時間を潰しました。 やっとインドに着いて市街に出る時に、携帯がないなら政府がやっているセンターに行くと良いと教えて貰いました。電車で行こうとしたら、「今週は祭りだから電車は全部止まっていて、タクシーしかないよ」と言われたので、16時間かけてタクシーで移動したんです。でも、実際は電車が止まっていることも嘘だったみたいで、普通に払うと1、2万円のタクシー代を15万円でぼったくられました。1人旅をして、「自分を強く持って帰ってくるぞ」という意気込みだけはあったのに、そんな自信は全部失われましたね(笑)。
その後、ヒンドゥー教の聖地・バラナシという街に行きました。遺灰を流してもらうことによって輪廻転生が一周するみたいなスピリチュアルな街で、本当に色んな人がいる場所なので、ホームレスの人もたくさん居ました。そういう人たちにトイレの場所を聞くと、めっちゃ笑顔で教えてくれるんです。お金や携帯を持っていなくても楽しそうに暮らすインド人を見て、お金と携帯をなくしただけで全てを失ったと勘違いをしていた自分はなんて贅沢だったんだと、地の底からの気づきがありました。
街で運よく日本語を喋れるインド人に出会い、ぼったくられた話をしたら、「学びでしょ!1番大事なのはお金じゃないでしょ!」とパンチラインを放たれて。 その人が、あまりに異次元の日本語を喋ってくるので、「面白そうだな、信じてみよう」と思ったんです。その人の友達の店に誘われて付いて行ったら、日本語を更に喋れるインド人たちが居て、日本人も居て、めっちゃ安心しましたね。直前にぼったくられていたので、誰も信じられない中、唯一信じられる友達に出会えました。
異国の地に行って、日本ではあり得ない体験をして、学ぶということが、ハラハラも含めて僕のトキメキですね。
Q4.これからやってみたいことは?
一人前のミュージシャン、一人前の人間になりたいというのが最終的な目標です。
バンドだと、ゆっくりでも良いからバンドとして有名になりたい。個人としては、最後死ぬ時に自分の名前で歴史に名を刻みたいくらいの気持ちがあります。音楽などでお金を稼いで生活して、自分のことを全部自分で出来る生活を、どんな土地でもできるようになりたいです。難易度が高そうなアメリカ一人旅にもトライしたいし、もしアメリカで自分の生活を回せるようになったら、もう死んでもいいと思えるほどです。