連載|すこし、遠回りをしていくから
2024.03.11
vol.13 - 旅の途上 -〈勝呂亮伍〉
去年の夏ごろから馬の牧場へ撮影に行っていて、今年の冬、東京で初雪が降った次の日も飛行機へ乗り、牧場へ向かった。
機内で本を読みながら、昨日のことを思い出す。少し、話しすぎてしまった。そんなことを思い、ふと窓の外の風景に目を向ける。
だんだんと小さくなっていく東京をみて、ここから離れることも選択肢として、ひとつ持っておくべきなのだろうとぼんやり考える。
空港へ着き、牧場へ向かうために車に乗って海沿いを2時間走る。
いつまでも続く水平線の見える海や、廃線になった線路の橋、そのすぐ近くに放牧されている馬たち。
つい目を細めたくなるような景色たちが続く。
私はこれからどれくらいの場所を訪れることができ、そこにある暮らしの断片たちを知ることができるのだろうか。
行ってみたい場所や知りたい暮らしがたくさんある。
いつかそれらを撮りながらその街で写真展をする旅をしたいと思っていたりする。