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10 MOMENT

小谷実由の「走り出した原点に戻れる大切な場所」|トキメキが発動する10の瞬間

人生に大きな影響を与えた運命の瞬間から、日々の小さな幸せまで。トキメキが発動する10の瞬間を語る「10 MOMENT」。

 

今回の語り手は、モデル・執筆・クリエイターとのコラボ企画など多様に活躍する「おみゆ」こと小谷実由さん。「トキメキや好きな気持ちは、すごく個人的なもの。だからこそ、その瞬間に気付ける自分でいたい。」と語る、彼女のトキメキが発動する10の瞬間とは?

INDEX

1. 猫

手が届きそうで届かない愛猫“しらす”とのちょうどいい距離感

しらすは猫らしい猫で、抱っこされるのもあんまり好きじゃないんです。それでも私がいつもしつこく構ってしまうので、噛みつかれて怒られることもしばしば。でも、私が落ち込んでいるとスッと近くに寄って来たりして、意外と人のことをよく見ている猫だと思います。一筋縄ではいかない性格がより彼のことを想像させてくれるし、ちょっとだけ何を考えているのか分かったかも...と思える瞬間がたまりません。距離感がちょうどいいですね。泊まりの仕事のためにスーツケースを取り出すと、その周りをウロウロしながらすごく嫌な顔をするんです。泊まっている日に電話で様子を聞くと、玄関の方を見てずっと座ってると聞いて......! でも、帰ると知らんぷりなんですよね。手が届きそうで届かないところも、愛おしいです。

2. アザラシ

絵文字から始まった、アザラシの世界🦭

iPhoneのアザラシの絵文字がすごく可愛くてインスタでいっぱい使っていたんです。そうしたら“アザラシがすごく好きな人”と思われたようで…!ある日、 『寝ても覚めてもアザラシ救助隊』という本が事務所に届いたんです。

北海道にある「オホーツクとっかりセンター」という、日本で唯一のアザラシ保護施設で働く飼育員の岡崎雅子さんのエッセイなんですけど、アザラシの可愛さはもちろん、幼い頃からアザラシが好きすぎて働くようになったという岡崎さんのストーリーや保護の実情など、この本を読むことで一気に多くのことを知ることができて大好きになったんです。今一番行きたい場所は、とっかりセンター。それぐらい、ハマっています。

3. mame kurogouchi

 

自信を持たせてくれる、お守りのような服

出会ったのは22歳のとき。当時はお金も全然なかったので、ファストファッションや安い古着をたくさん買っていたんです。すごく好きだけど、一回しか着ないという服もあって、とにかく「今欲しいから買う」みたいな関係性でした。そんなとき、縁あってmameの展示会に行ったんです。

今まで自分が着ていた服とはある意味正反対のようなすごく繊細な作りで、存在自体が美しくて、袖を通すのも緊張するくらい心を奪われたのを今でもハッキリ覚えています。「大人になってもこの服が似合う人でいたい」と思える服に出会ったのは初めてでした。結局、そのときオーダーしたのはタイトなシルエットのワンピース。「届くまでの半年間でこの服が似合う体型になりたい」とがんばって体を絞りました。服に自分を合わせるという体験をしたのは初めてでしたね。

当時、長年在籍していた事務所を辞めて環境が変わった時期でもあって。自信が持てなかったり緊張する場に行くときはいつもmameを着ていました。よく“現代社会における戦闘服”と言われますけど、私にとっても、自信を持たせてくれるお守りのような存在であることは出会った当時から今も変わりません。もし着られなくなってもずっと手元に置いておきたい。持っているだけで価値があると思えます。

4. 櫛

 

個性だらけの櫛蒐集は、ついに150本超。櫛図鑑を作りたい

日本だと控えめなカラーが多いんですけど、海外のすごくカラフルだったり、変わったデザインの櫛がすごく好きで、気付けば5年間で150本以上集めていました。たまに 「おすすめの櫛ありますか?」って聞かれるんですけど、実際に使っているのはそのうち5 本くらいで......実用性の面ではうまく答えられないんです(笑)。

どれも本当にお気に入りなんですが、タイに住んでいる友達が送ってきてくれた櫛がおもしろいんです。メイドインジャパンでもなんでもないけど、全然意味が分からない日本語が書かれていて。日本語が書いてあった方がちょっと安心感があるように見えるんですかね?パッケージも可愛いので、開封せずに残してあります。海外に行った友人が「櫛を見て思い出したから」と、お土産で買ってきてくれたりもします。私にとってはコレクションでもありますが、友達が旅の思い出を共有してくれるツールにもなっていて、とても嬉しいですね。

語りだすと止まらないのですが、定期的に並べて写真を撮って、また箱に戻すという行動を日常的に繰り返しています。今日は色分けで並べてみようかな、など系統立てたりして。いつか櫛図鑑を作りたいというのが密かな目標です。

5. ウォン・カーウァイ監督作品

 

この世界で生きてみたい。
好きと憧れが詰まった、理想の世界

特に好きなのがこの4作品、中でも『恋する惑星』が一番好きです。20代の頃ミュージックビデオの仕事をする時に、監督から「参考に見ておいて」と言われたのが最初の出会い。それまでアジア映画をあまり知らなかったんですけど、すごくときめいて好きになりました。

好きなシーンは......全部。一つには絞れないですね。90年代の香港の雑多なイメージ、特有の色彩、ファッショ ン......元々アジアは好きだったけど、まさに理想の世界というか、この世界で生きてみたいなと憧れる作品ですね。

出てくる人がみんなすごく、チャーミングなんですよ。ヒロインが働くサンドイッチ店が停電して店内にろうそくをたくさん灯すシーンがあるんですけど、突然誰も誕生日じゃないのにハッピーバースデーを歌い出してしまったりとか、そういうお気楽な部分にもすごく憧れます。

6.『Stop Making Sense』(1984年)

何度見ても発見がある。閃きの原点

Talking Headsというバンドのライブフィルムです。仲良しのスタイリストさんの家に遊びに行った時に、たまたまテレビで流れていたんですけど、音楽はもちろん演出やファッションもかっこよくて、いまだに見る度に発見があります。

ジャケット写真でも着用している「ビッグスーツ」という衣装が有名なんですが、じつは歌舞伎などに影響を受けたらしいんです。あと、メンバー全員がベージュトーンのシンプルな衣装を着ているんですけど、演奏やパフォーマンスが際立って、スマートな印象ですごくかっこいいなと思います。

何かに行き詰まったり、“アイディアが欲しい”と思った時に見返す原点的な存在で、この作品を見るといつも頭に衝撃が走るような感覚があります。純粋に「おもしろい!」と思えるから気持ちも上がるし、何かしらの閃きにつながるんです。

7. 花

 

変化を与えてくれる花と、
“人”が見える花壇へのトキメキ

花壇を見ていると、ときめきますね。誰かが丁寧に育てているんだなと感じるものもあれば、自由に野生的に育っているものもあって、でもどんな花にも植えている人がいて、育てている人がいるんですよね。花壇を通して人が見えるというか、そんなところが好きなのかも。

インスタで #花壇ウォッチャー というハッシュタグを作ったのも、自分で撮った花壇の写真をまとめて見たかったからなんです。でも、知らない間にすごくたくさんの人が使っていて びっくりしました(笑)。そうやってみんなが楽しんで使ってくれて嬉しいです。

じつは20歳ぐらいの時、まだ全然仕事もなく、お金もなくて、毎日同じことの繰り返しがすごくつまらなかったとき、学校の帰り道にあるお花屋さんでお手頃な値段の小さなブーケを買ったことがあるんです。家に飾って、毎日お水を替えて、日々少しずつ成長する花の様子を眺める時間が出来て、退屈だった毎日に色がついたような、私の中ではすごく大きな変化を生むキッカケになったんです。今は誰かのためにお花を選んで贈ることも楽しい。相手のことをお花を通して考えることが出来て好きです。

8. 1970年 大阪万博

 

時代を超えてワクワクさせてくれる
作り手の熱い想いと個人的な“好き”

もともと岡本太郎が好きで、万博記念公園にある太陽の塔を見に行ったんです。当時の人たちが想像した未来って、すごく発想が飛び抜けていて、遊び心があって素敵だなと思います。作り手の極端すぎるくらい個人的な“好き”やワクワクが詰まっているように思えるところにトキメキますね。万博記念公園内には当時の衣装や写真などが飾られていて、昔のパンフレットなども売っているので、行くたびに買い集めています。

次の大阪万博も楽しみです。最近は公式キャラクターのミャクミャクがすごく気になっています。どうやらプロフィールを見るとひょうきんな性格らしく、インスタグラムやテレビで踊ったり動いてるところを見かけたのですがとても可愛くて!いつか本物のミャクミャクに会いたいですね。お腹がぽよんと出ているところも好きです。

9. 写真を撮ること

 

日々を大切にする手段。撮るアクションの楽しさ

元々は夫の影響なんですけど、写真を撮ることもトキメキます。今までフィルムで撮っていたのですが、フィルムの値段がすごく高くなったので......撮りたいものをすごく考えるようになってしまってフィルムで撮る頻度は減ってしまいました。でも、残しておきたい、覚えておきたいなと思うものを考え込まずに撮りたいので、日常はデジカメで撮っています。

スマホでも綺麗に撮れるけど、わざわざカメラを取り出して、構えて写真を撮るっていう行為がすごく好きです。写真を撮ることで日々をより大事にできるなと感じるし、日常生活で記憶に残る瞬間が増えた気がしてカメラを買ってよかったなと思いながら日々持ち歩いています。

10. #omiyuhuntingsome

これぞ究極のトキメキ。 走り出したきっかけに戻れる、大切な場所

トキメキって何だろう?って改めて考えてみると、“好き”と“トキメキ”は違うなと思いました。例えば、本がすごく好きで好きな作家さんもいるけど、トキメキという感覚とはなんだかちょっと違う。 でも、花が好きで家に飾って、毎日の小さな変化に気付いたときはトキメキだなあとか。好きにもたくさんの種類があるということに気付けたと同時に、出会い方や、何かに接しているときの感覚や気持ちもさまざまなんだなと。

そういう、漠然としていながらも「なんかいい!」と思うものって、みんなあると思うんですよね。私にとっては、それが究極のトキメキかも!と思って、日常の中で見つけた「なんかいい!」と思ったものを、ハッシュタグ #omiyuhuntingsome を使ってインスタグラムにアップしています。気持ちが落ちてしまうときやハッとしたいときに、ウォン・カーウァイ監督作品や『Stop Making Sence』を見て「やっぱり最高!」みたいな気持ちに戻る......ということよりも気軽なトキメキみたいな感じです。でも、どれも自分が走り出したキッカケや原点に軽やかに戻ることができる。私にとっては、そんな大切な場所がトキメキなのかなと思います。


 

大きな衝動だけではなく、日々の小さなトキメキにも向き合ってみる。そうすると、“好き” の世界がどんどん広がっていくかもしれない。 小谷さんの好奇心と、まっすぐであたたかい言葉や考え方に触れていると、そんなワクワクする気持ちにさせてくれる。

モデル・文筆家
小谷実由(おたに・みゆ)

1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとの コラボレーションなども取り組む。 猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。 2022年7月に初の書籍『隙間時間(ループ舎)』を刊行。4月からJ-WAVE Podcast番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」毎週金曜日配信がスタート。
Instagram:@omiyuno

CREDIT

photo: Gyo Terauchi(portrait.2~6.8.9-1)
hair&make: Kotomi Goshima
edit&text: Hinako Masuyama

SHERE

instagram

PROFILE

HATSUDO編集部

“トキメキ”発動中

HATSUDO編集部

わたしたちを素敵な未来へ導く"トキメキの発動"にフォーカスし、その原動力を探求、発信しています。


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