咀嚼音だけが響いていたあの日から。馬の個性と奥深さに魅せられて
[profile]
name:紫乃
occupation:俳優
Instagram:@todays_shinochan
[outfit details]
beanie:自作
dress:ヴィンテージ
pants:貰い物
shoes:BIRKENSTOCK
bag:母の革製品ブランド
2025.06.11

INDEX
Q1.トキメキが発動していることは?
馬の存在です。かわいくて、奥深くて、ずっと心が惹かれ続けている存在です。
Q2.きっかけは?
2年前まで東京で暮らしていたのですが、すごく落ち込んでしまった時期があって。東京の暮らしが自分に合っていないのかも…と思うようになったとき、ふと「北海道 馬」で検索しました。そこで出てきた牧場にすぐ電話をかけ、書類を送り、そのまま家を解約して、北海道に向かいました。牧場で働いた経験も、馬に関する知識もほとんどなかったんですけど、「ここだ」と思ったんです。
富良野の牧場に着き、馬たちの“咀嚼音”だけが響いている空間に立ったとき、「ああ、やっとここに来れた」って、不思議な安堵感に包まれたのを今でも覚えています。そこからずっと、馬に対してのトキメキが続いています。
Q3.トキメキポイントは?
馬は、感情が豊かで、人の気持ちがそのまま伝わる動物です。だからこそ、乗っていると常に精神力を試されているような感覚があります。不安なときはその気配を察されてしまうし、落ち着いていれば信頼してくれる。向き合うたびに背筋が伸びて、自分も整えられていく気がします。
この前、林道を歩くトレッキング中に、鹿の群れが急に現れて。他の馬たちはざわざわと落ち着かなくなったんですけど、私が乗っていた馬だけはまったく動じなくて。その落ち着いた様子に私自身も助けられて、「この子って、こんな一面もあるんだな」と驚かされました。日々の中でこんなふうに新しい発見があることが嬉しくて、飽きることがありません。
一頭一頭に個性があって、それぞれ違う反応をする。いたずら好きな子もいれば、馬同士にするみたいに毛づくろいしてくれる子、甘えてくる子もいる。そんな姿を見ていると、馬という生き物の存在そのものが、本当に尊いなって感じます。
Q4.これからやってみたいことは?
今は月に一度、富良野の牧場に通いながら、馬と触れ合う生活をしています。馬は人を癒す力があると思います。その魅力を1人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。
そしてもうひとつ、奥能登の珠洲という町で、春夏秋冬を通して撮影していく映画に出演する予定です。監督は、珠洲に暮らす西海一紗さん。彼女の見ている世界の中に私が融合すること、とても嬉しく思います。その土地に根を下ろして生きている人たちの営みや、日々の季節のうつろいを、西海さんと一緒に丁寧に描きたいです。時間をかけてどんな作品が生まれていくのか、とても楽しみにしています。
これからも自分のトキメキに素直に、私らしくいることを諦めず、生きて行きます!
